2006年06月22日

6/17「第5回 Stars of Tomorrow」感想

東京ヤングマジシャンズクラブによる「第5回 Stars of Tomorrow」(通称:スタトモ)の感想を書きます。

日時:2006年6月17日(土) 18:30〜
場所:赤羽公会堂
入場料:1000円
オフィシャルサイト:http://www.tymc.net

若いマジシャン達の主催するマジックショーということで、仮に荒削りであっても未完成であっても、マジックへの熱い思いが感じられるステージを期待して見ました。

見終わった後の満足感としては、1000円は高い、500円ならいいかな、という感じでした。

●田中 大貴さん
ケーン、シルク、ハトなどのアクト。

作り出そうとしているやんちゃ少年的なキャラクターは、本人の資質に良くあっているように思えた。特に最後のハトかごの消失ではその魅力がよく表現されていたと思う。

演じているキャラクターがわりと頻繁に素に戻ってしまう印象を受けた。そのたびに観ているほうも現実に引き戻されてしまうような感じがして、楽しみづらかった。
白いシャツを体の前面で比較的広く見せているのは、ハトなどの白い道具の印象をぼやかしてしまうので良くないと思う。
使っているシルクがシワシワなのは、汚らしい印象が強くマイナスだと思う。キレイなシルクを使っても、キャラクターに似合った使い方にできると思うし、もしキレイな道具を使わないことでねらいたい効果があるとすれば、シルクのハンカチという選択肢自体を見直したほうが良いように思う。

●黒川 遼さん
シンブルのアクト。

シンブルはこういう現象を起こすものだというな陳腐なイメージに留まらずに、自分自身でイメージを作り上げており、それを表現することが楽しくて仕方がないといった雰囲気が強く感じられて良かった。
途中で何度か明らかなミスをするシーンがあったが、そこからのリカバリーの場面でも素に戻らずに舞台上で演じているキャラクターとして振舞っていたのに感心した。
明日のスター(Stars Of Tomorrow)というコンセプトとしては全演者の中で最も好感が持てた。

基本的な技術に未熟な点が目立った。ショーとしての舞台に立つにはギリギリアウトだろうか。
何かを見せることで観客に何かを提供しようとする姿勢があまり感じられなかった。何かに一生懸命に楽しそうに取り組んでいる姿は確かに魅力的ではあるが、それを魅力の中心に据えるならばより多くの人に共感してもらえる工夫が必要だと思う。

●和田 芳仁さん
バラのアクト。

派手な現象が多く、キメポーズでは毎回バラをくわえるなどの工夫からはお客さんへのサービス精神が感じられた。
ひとつの演技としては全演者の中で最もまとまっていたと思う。

演じているキャラクターが一定せず、違和感を感じた。途中の少し落ち着いたパートでは正統派二枚目的で、派手なパートでは大衆演劇やホストのショーのような派手すぎてやや下品といったキャラクターに見えた。今のままの手順構成で行くなら、落ち着いたパートをホストがちょっとカッコつけている風に動きや細部を調整するか、派手なパートをもっと上品にするかしたほうが違和感が減ってよいと思う。
衣装は品がない。正統派二枚目をねらうならもっと洗練されたデザインにすべきだと思う。

●岡野 哲哉さん
パントマイム。

マジックショーの中にマイムが入るのは変化があってよいと思う。

マイムを使って表現されているイメージが陳腐でつまらない。若いパフォーマー集団のショーとして題しているのだから、基本技術が未熟なのはお客さんもある程度わかっていて、そこに少しは甘えてもよいと思う。しかしそうであるならば、荒削りでもよいので、自分自身で作り上げふくらませたイメージを表現して欲しい。演者が自分の作ろうとしているイメージに感動していなければ、観客も感動することはないと思う。
パントマイムの基本技術は、ショーとして舞台にかけられるレベルに達していないと思う。訓練を積むか、マイム以外の要素を中心にした演技にすべきだと思う。

●原 大樹さん
(演技なし)

●古山 光さん
リンキングリング。シルク。

最初のリングのパートは、シンプルな道具と現象が、すっきりとした動きに似合っていて良かったと思う。

後半のアップテンポなリングと、シルクの演技では、現象の美しさ面白さで見せるにはその密度が薄く、演者の動きの美しさで見せるには鍛錬が足りないので間延びして感じられた。
観客へのアピールが強くて少々鼻についた。特に前半の静かなパートでは、道具と現象のシンプルな美しさが強調されているので、少々のアピールであっても過剰な印象を受けるのではないかと思う。全体的に観客へのアピールは抑えたほうが、より演者も際立つと思う。
衣装は前面の刺繍が多く、シンプルな道具の印象を損ねているように思う。

●Hong Jun Pyoさん
カード、キャンドル、ボールのアクト。

カードとボールの変換など、見たことのない技術を使っていて興味深かった。

現象の印象が薄く、どこかで誰かがやっているような陳腐な印象を受けた。オーソドックスな演目であっても鍛え上げられた技術を見せることでエンターティンメントは成立するとも思うが、そのレベルには達していないと思う。自分ができるスライハンドと道具を組み合わせてルーティンを作っているのではないかと疑ってしまう。もっと自分が感動できるイメージを作り上げてから、ルーティンを構成してほしい。
黒い上着の袖から白いフリル状のシャツがのぞいているのは、白っぽい道具を使う演技では印象を損ねてマイナスだと思う。

●荒木 巴さん,田村 浩太郎さん
デフォルメされたキャラクターの姫と、それに振り回される侍従という設定のMC。

サービス精神が随所に感じられる楽しいMCだった。姫のキャラクターも安定して演じられている印象を受けた。侍従は慣れた感じは受けなかったが、役作りの難しい芝居に挑戦したことは評価したい。

姫と侍従のやりとりでは、間延びして感じられるシーンが多かった。
オープニングの場内アナウンスから、最初の登場のシーンくらいまでは、どのような役どころで、真面目に見たほうがよいのか、笑って見てよいのかが曖昧な印象を受けた。もっと早い段階で姫と侍従とその関係を明示する表現があると、早い段階からお客さんが安心して笑えるようになると思う。
特にオープニングの場内アナウンスでは、観客の注意は散漫になりやすいので、1ベルを使ってお客さんの注目を集めてから行ったほうが効果的なのではないだろうか。

●その他
進行はスムーズだったと思う。
フィナーレで演者以外がでてくるのは違和感を感じた。裏方は縁の下の力持ち的な仕事のしかたにもっと誇りをもってほしい。


posted by こりん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・ショー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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