2005年10月12日

東大奇術愛好会 学外発表会を見にいく

10/10(月,祝) 東大奇術愛好会の学外発表会を見に池袋の豊島公会堂に行く( http://ut-magic.org/ )。学生マジックを見るのは久しぶり。

発表会タイトルは「Magic meets Arts」美術館に展示されているマジックという作品を少女が見て回るというシチュエーションで、司会の代わりに少女(役名)の芝居を挟みながら進行していく。ロビーには演目に対応したイラストも展示されていた。

無料で見れる発表会としてはパフォーマーはよく練習していることが伝わってくるし、アートスタッフとの協力によってオープニングやフィナーレも飽きさせずに上品にまとまっているし、ステージ進行もスムースだし、とても良い内容だったと思う。

でもショーとしての意識をもっと強くすればさらに楽しめるパフォーマンスになると思えたので、ここでは個々人の演技をショーとして見たときの感想を書いてみようと思う。
○オープニング
開演前から舞台上のスクリーンに映っていた静止画が動き出す。映像の中で女子が美術館に入っていく。客席横の入り口から映像で出ていた女子が登場、舞台上にあがって展示されている作品を見ていく。

展示されている絵画が次のパフォーマンスを表しているのは面白い趣向だと思った。
もう少し短くてもよかったのでは。出演する男子がどんな役割なのか結局はっきりせず、出す意味があったのか疑問。

○パラソル
途中でボーイッシュなスタイルの女子からドレスへの衣装チェンジあり。

ロードなどの技法時の動きと、キャラクターとしての動きとギャップを感じた。たとえばお嬢様は傘を投げて持ち替えたりはしないだろうし、小さい傘を地面にぼとぼと落として何も反応しないというのは違和感を感じた。難しいとは思うけれどキャラクターに合い、なおかつトリックの要件を満たすような動きを研究してほしい。
アシスタントの男子が悪目立ち。演者を待たせてしまうことが多く、衣装の色も必要以上に目立っている感じがした。

○リング
リングを投げたときに、赤いシルクが軌跡を残して飛んでいくのは美しかった。
シンプルなドレスなので決めポーズをもっと美しく見せてほしい。ごまかしが効かない衣装と動きを選んだのだから、基本的なリングのつなぎはずしで引っかかり動きがギクシャクしまわないように十分に鍛錬してほしかった。

○シルク
衣装と道具の配色があまり良くないと思う。比較的上品に見える衣装に、原色の道具は似合わないのでは?

○石像
進行の女子が通りかかると石像が動き出す。石像の手からハンカチが何枚も出てくる。

シチュエーションがコミカルなので、もっとおかしなことをしてもよかったのでは?最後にハンカチが頭から出てくるとか・・・

○ゾンビボール
ゾンビボールの後で布なしのアストロスフィアー。
ボールが軽く見える。アストロスフィアーに切り替える必然性が伝わってこないので、なぜ前半(ゾンビ)で布が必要だったのかよくわからない。ケープを身につけたらもっと堂々とした身のこなしをしないとみっともない。

○スケッチブック
モノクロの絵が彩色される。テーブルの上に絵に書いたものが出現したり消失したり。最後は牛の着ぐるみ君が登場。

最後に牛君を登場させるとテーブルの下に隠れていたんだなと思えてしまい、前半の効果が半減してしまうと思う。テーブルを軽々と持ち上げて移動させるなどの下には誰もいないことを連想させるような動きを入れるか、テーブル上の出現消失を一切やらないか、難しければ牛君を出さずに終わったほうが良いのではないか?

○バレエ
バレエの動きは単体で人前に出せるレベルではないと思う。観客を魅了できないのならば、イントロでオルゴールに合わせた動きのように、むしろおかしな動きをするおかしな人としてコメディタッチの演出にしてしまったほうが良いのではないか?

○四つ玉
マニアックに面白い手順だった。しかし一般の人が見て楽しめる内容ではないと思う。せめて前半は一般に見てわかりやすい手順を入れてみてはどうか。

○ハト
印象に残っていない、ゴメンなさい。オーソドックスすぎる?

○タバコ+イリュージョン
男子登場、タバコの演技。透明箱から女子が登場。女子がタバコの演技。男子女子でタバコの演技。人体交換。

男女でのシンクロしたタバコのプロダクション手順は面白かった。
男子と女子の関係がよくわからない。タイトルからすると女王様とホストという雰囲気だけれど、舞台上の動きからは伝わってこない。

○グラス
進行の女子が棺桶を開けるとドラキュラ登場。ドラキュラがグラスプロダクション。朝になってドラキュラが棺桶に帰ろうとすると進行の女子が入っていて両者悲鳴を上げて終わる。

笑えてよかった。最後はドラキュラだけが悲鳴を上げるほうが効果的では?最後ははっきりコメディだが途中はシリアスなのかコメディなのかはきりしない。演者側がここは笑って欲しいのかそうでないのか、もっと態度をはっきりさせるとより良くなると思う。

○シンブル
一般サイズのシンブルの演技、大きいサイズのシンブルの演技。

よく練習していると思う。大きいサイズのシンブルは初めて見た。
シャツの色が暖色のパステルカラーで、その前にシンブルをもってくると見えにくく損だと思った。キャラクター的には暖色でよいと思うので、真っ赤なシャツなどのキツい色にしたほうがよかったのではないか。

○キャンドル
最後の一本の出現など難しいことに挑戦していることは伝わってくる。アシスタント女子の動きはよかったと思う。
わりとビートのある音楽を使っていたが演目が要求する動きとあっていないように思った。

○カップアンドボール
進行の女子が絵の前を通りかかると絵の中の人物が動き出す。人物が絵の中からコーヒーカップとビデオカメラを取り出し、ビデオカメラを少女に渡す。少女が撮影する画像が舞台上スクリーンに映り、人物がコーヒーカップでカップアンドボール。

他と違った種類の演目でアクセントになってよかった。投影されている画像の中でのマジックは良いと思うが、演技中に演者が手元ばかり見ているのでは、舞台上で実際に演じる意味がなくなってしまうと思う。進行の女子に見せるというシチュエーションなのだから、せめてそちらにアイコンタクトする、または客席にコンタクトするようにしたほうが良いのではないか。

○カード
よく練習していると思う。一瞬でファンに開いてキメポーズを作るのはきれいに見えた。
現象を詰め込みすぎている感じがする。全体的に動きが急いでいる印象になってしまい、キメポーズがあまりキメに見えずもったいない。現象を少なくしてひとつひとつを丁寧に見せ、素早い動きはキメの時だけに限定すれば、もっと映えるのではないか。

○ウォンド
一瞬でカラーチェンジするのが不思議。3本のキメポーズで最後の1本を投げて受け取るのはきれいに見えた。
最初の1本での手順が早すぎるというか煩雑で、よくわからない印象を受けた。なんとか軽快さは残して現象をわかりやすくはできないだろうか。

○和妻
取り出した和傘が起こした風で舞台上の紙ふぶきが舞うのはきれいに見えた。
最初の仮面は何が起こっているのかよくわからない。アートスタッフの協力が得られたのであればもう少し彩色などアドバイスをもらったほうが良いのでは。後半になると服から傘などを引きずり出している感が強くなるのは改善できないか?アシスタント君達からロードするなどの手はないのだろうか。
和服の動きが難しいのはわかるが、もう少しなんとかならないものか・・・

○フィナーレ
舞台上のスクリーンに有名な絵画が映る。絵画の一部に含まれるマジック道具にズーム、画面上はマジック道具だけが残り演者の名前が表示される。舞台上に演者が登場して礼。全員が紹介される。

わかりやすく上品な演出で良かった。最初のうちは絵画の一部に自然に溶け込んでいたマジック道具が、だんだんとわざとらしい位置に変わっていくように見えて面白かった。


全体的に優等生的というか枠にはまっている感じがする。技術的に破綻していてもひとりよがりでも、もっと熱いものが見たいと思うのは贅沢な感想でしょうか。

発表会としては十分高度な内容だと思うけれど、マジックに感心のない人が本格的なステージマジックを見るのはこういった発表会が初体験になることも多いと思うので現状に満足せず、より良い内容を目指してがんばってほしいと思います。東大奇術愛好会の皆さん、楽しい舞台をありがとう。


posted by こりん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・ショー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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