ありえないことを起こす事自体は、役者さんが舞台上で涙を流すのと同じような「訓練による技術」であって、何回か見てしまえば「ああ、ありえないね」とたいした感激もなくなるわけですよ。
もちろん例外はありますよ。その技術だけ何度見ても感激しちゃう、という極上の技術の持ち主もいます。ごく少数ですけれど。
でもそれはオレのような木っ端マジシャンには関係のないはるか高次元のお話なのでここでは無視。
少しでもお客さんの心を動かしたい、と先人が頭をひねって作り上げたひとつが「なんか上手くいかないよ、どうしよう」的な表現。
トラブルは興味をひくし、解決されればスッキリする。上手く演じれば、カッコつけてイケスカナイ感じのマジシャンにも人間味を感じてもらえるようになり、お客さんはマジシャンに騙される人から、マジシャンを応援する人になってくれる。
オレはこの表現スタイルが好きで、ふと自分が練習した手順を見返してみるとこの手のヤツばかりなのです。
なんか安易なのよね。
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